マニュアル撮影をし始めた方も絞り優先モードというモードを知って間もない方も多いと思います。
今回は実際F値はどのような場合に使用すれば良いかについて紹介していきます。
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カメラのF値を使った撮影方法 工夫次第で写真は変わります
F値とはどのようなものなのかを分かりやすく説明しているので
初めて知った方やまだよくわかっていない方はこちらの記事を読んでみて下さい。
結論は背景のボケを作るか作らないか
結論はほとんどの場合これが全てです。背景をぼかしたいのであればF値をいちばん小さくすればぼかすことができます。
明るさ調節も可能ですが、それはシャッタースピードでもISO感度でも言えるメリットなので、F値ならではのボケ表現をメインに紹介していきます。
・背景をぼかすと写真が綺麗に見える
ぼかすことで写真は綺麗に写ります。これは普段使っているスマホのカメラではボケの表現が難しいからだと考えています。
普段見ている写真と表現が違うと新鮮さを感じ、錯覚として綺麗に写っていると感じているのかもしれません。
F値を設定できる一眼レフ、ミラーレスカメラだからできる表現だと思うので、どんどんボケを作って綺麗な写真を撮っちゃいましょう。
ボケを作れば(F値を下げれば)良いってものでもない
初心者にありがちなのですが、なんでもかんでもF値を小さくしてボケを作ろうとしている方が多いように思います。
例えば観光名所などの風景を背景にして写真を撮る時に、被写体だけがピントがあっていて背景がボケてしまってはせっかくの名所で撮ったものだったとしてもどこでも撮れるような写真になってしまします。(イタリアの素敵な街並みがボケていてもったいない)
なので、被写体がメイン(スナップ写真やポートレート)であればF値を下げて撮った方が良い表現ができると思いますが、背景も人物もメインにしたい時はなるべくF値を上げた方が良いということです。
・F値を下げるとピントのずれが生じやすい
F値を下げるとボケを作れるということは何度もお伝えしていますが、その裏にはデメリットも隠れています。
ボケやすいということは、それだけピントもずれやすい
これがいちばんのデメリットであり、気をつけて欲しいことだと思っています。
例えば人物撮影をしている時に、顔にピントを当てることを意識しないと、ピントずれが生じてしまって没作品となってしまう可能性もあります。
特にポートレートを中心に撮影していきたいと思っている方は「瞳にピントを合わせる」ことを意識して撮影するとミスが少なくなると思います。
F値が小さいメリットとしては、被写体だけにピントがあって、そのほかの背景や手前の物がボケて被写体を強調することができますが、上記のようなデメリットもあるので、気をつけましょう。
F値を上げて(解放せずに)撮影する方法
筆者もボケが好きなので、主にF値を下げて撮影をしているのですが場合によってはF値を上げます。
例えば、壁が被写体のすぐ後ろにある場合(雑誌用のモデル撮影時など)は、ほぼボケは発生しないのでF値を下げての撮影は無意味です。むしろマイナスです。
ピントずれのリスクがあるので、この場合にはF値を上げて撮影しましょう。
そして先ほど紹介した、背景も人物もメインにしたい時はなるべくF値を上げましょうということです。
・Photoshop等で被写体の切り取りを行う場合
写真の切り取り作業をする用の被写体を撮るときは、なるべく背景は被写体と被らない色の場所で撮影すると思いますが、それだけでは不十分です。
多くの方は範囲選択ツールを使って切り取っていていると思いますが、F値が小さいと、境界線がピントずれしてしまって上手く範囲選択ができない現象が生じます。
もっと作業効率を上げたければできるだけF値を上げて撮影するほうが、作業が簡単になります。
*F値を上げると写真が暗くなるので、シャッタースピードとISO感度を調節して撮影しましょう。
まとめ

F値は写真の表現をするためにとても重要な設定です。明るさ調節はもちろん、ボケは写真を劇的に変えることができます。
ただ、それは場面場面で調節しなければならないということを頭の隅に置いて、好きな写真を好きなだけ撮って、自分なりの表現を楽しみましょう。